【チェス入門】5.オープニング – ゲーム序盤の有利な進め方

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チェス入門編では基本的なテクニックや考え方を中心に解説します。
今回はオープニングについて解説します。
ゲーム序盤における有利にすすめるための基本的な考え方を中心に見ていきます。

・中央の支配
・キャスリング
・ルークの連結
・手数

ゲームを有利にすすめるために考えるべきポイントは、戦力を保ちつつ、盤面の支配力を高め、キングの安全性をはかるの3点が重要であることは以前の動画で解説しました。
では、具体的に序盤の指し方、オープニングではどういう状態を目標に指すべきかについて考えてみます。

・中央の支配

ナイト、ビショップを効率よく働かせるためには盤面の中央に配置する必要があります。
ですが、オープニングで闇雲に配置してもポーンの格好の的となってしまいます。

中央に2つ並んだセンターポーンがどういう力を持つのかを考えてみます。
4ランク目の位置は自分の領域側であるためにポーンは守りやすく、
相手の領域である5ランク目の4マスに干渉しています。
e5とポーンをプッシュすることによって、f6、d6のマスを、
d5とポーンをプッシュすることによって、c6、e6のマスを制圧することができます。
つまり、相手が何も対処しなかった場合は、相手側のすべての中央のマスに対して圧力をかけている状態となっています。
オープニングでは相手に2つのセンターポーンを作らせないように牽制する、
または、センターポーンを作られた場合はポーンを攻撃するなどの対処が必要となります。

これはd4から始まるオープニングですが、この場合はナイトによりe4が牽制されたため、
白はc4と指し、中央から1マスずれますが同じようにセンターポーンを2つ並べ圧力をかけます。
黒はe6と指し、次にd5と指すことで白の中央の支配を緩和することを狙っていきます。

・キャスリング

キングが中央に配置されている状態は、チェックやタクティクスなどの強制手が働きやすいため、
できるだけ避けたほうがよいです。
また、キングを安全な位置に2マス移動させ、ルークを攻撃的な位置に配置するキャスリングは、
通常3手が必要になるところを1手で行える効率的な手になります。
キャスリングは一つの目標として考えると良いと思います。

キャスリングを行う前に、ビショップの道をあける手、ナイトとビショップを展開する最低3手が必要があります。

また、クイーンサイドキャスリングでは、ビショップ・クイーンの道をあける1手、ナイト、ビショップ、クイーンの展開する最低4手が必要となります。

・ルークの連結 Rook Connection

以前の動画でオープンファイルにルークを配置することで、盤面の支配力が飛躍的に高まることを説明しました。
ここではルークの連結の重要性について考えてみます。

お互いにルークが連結した状態の場合を考えてみます。
黒はRe8と指し、eファイルに配置します。
白もRe1と指し、eファイルに配置します。
このeファイルの状態はお互いに拮抗しており、
先にルークをテイクした方が相手にeファイルを制圧しまうため、
ルークがお互いに見合った状態が続きます。

今度は白のルークが連結していない状態を考えてみます。
白はeファイルを制圧しようとRe1と指します。
黒もeファイルを制圧しようとRe8と指します。
白はRxe8+とルークをテイクした場合は、黒Rxe8とルークをテイクされ、
結局eファイルは黒に制圧されることになります。
仮に白Kf1と指し、ルークを守ったとしても、
黒Rxe1+、白Kxe1、黒Re8+、白Kf1と続き、
結局eファイルは黒に制圧されます。

ルークの連結がない場合、オープンファイルの制圧に対して不利に働くことがわかると思います。
ルークの連結はルークの活用を準備するという意味で、オープニングにおける目標と言えます。

・手数 Move Count

オープニングの目標であるルーク連結までの手数について考えていきます。

ルークの連結まではオープニングの目標地点ですが、
ナイト展開に2手、ビショップ展開に2手、ビショップの道をあける2手、
クイーン展開、キャスリングの合計8手が最低でも必要となります。

オープニングでは、相手よりも早くピースを展開させた方が優勢となりやすく、
ルークの連結までの手数はオープニングの進捗度合いの指標となります。
オープニングの1手は貴重であり、
逆にいうと自分の進捗が進まない手や相手の進捗を進めてしまう手は、
悪手や緩手となりやすいです。

一般的に序盤に何度も同じピースを動かさない方が良いと言われるのは、
手損で盤面の支配力が落ちるのが理由です。
オープニングの序盤でクイーンを動かさない方が良いと言われるのも、
クイーンが攻撃されることにより手損してしまうためです。

今度はお互いにぶつかっているポーンをテイクするタイミングによって手数を稼ぐテクニックを紹介します。
オープニングでは展開していないピースに着目し、そのピースに対する強制手を意識しておくことで手数を稼ぐアイディアが思いつくかもしれません。

オープニングでの1手は大変貴重でミスをすると致命的な局面になる可能性があります。
定跡を覚えてしまうのも手ですが、その際にその手が意図する意味を理解することで、
定跡から外れた場合でも対処することができるようになります。
とりあえず、オープニングで迷ったら、序盤はポーンによる中央支配、
それから、キャスリングとルーク連結を意識して指すと良いと思います。

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