◆動画について
2001年12月6日に発売されたプレイステーション2用ソフト『ICO』の開発初期映像です。開発チームへ作品イメージを共有するために、1998年頃に制作されたものとなります。『ICO』がどのようなゲームになるのか上田を含めスタッフ皆が見えず、暗中模索していたときにこの映像が出来上がったことで光明が見え、チームにとってブレイクスルーとなった映像です。走査線やノイズなど、映像やサウンドの不備、デバッグ表示もありますが、当時の雰囲気を感じていただきたく、あえて修正や編集は行っていません。
◆映像のおもな特徴
・CGと初代プレイステーションの映像を組み合わせたもの
・制作環境はモーションはSoftImage、モデリングはLightwave3D
・ヨルダのイメージが製品版とは異なる
・イコのツノの有無が異なる
◆楽曲について
当時(1990年後半)は、ゲームに対して専用音楽ではなくポピュラーミュージック、しかも既存の楽曲を使用するという試み自体が珍しい時代でした。たまたま『ICO』のディレクションとゲームデザインを務める上田文人のデスクにあったCDから楽曲を選んでいます。
ターニングポイントになった楽曲が2曲あり、この映像ではMomusの『Summer Holiday 1999』(1999年の夏休み)を使用しています。もう1曲はサイモン&ガーファンクルの『スカボロ・フェアー』で、初代プレイステーションからプレイステーション2に開発移行後、最初のプレゼン用
映像に使用していました。どちらも開発中の映像にとてもマッチし、自分たちの作っているものに手応えを感じさせてくれた思い出深い楽曲です。
そして、製品版では幸運にも大島ミチルさんに楽曲を担当していただけることになり、多くの名曲を生み出していただきました。なかでも、『ICO-You were there』は、『ICO』を形作ってくれたかけがえのない楽曲です。
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